「復刻」「復活」の連続に、危険を感じてしまう話

あけましておめでとうございます

みなさん、あけましておめでとうございまーす!

新年一発目から、「復活」だの「終わり」だのって。
昨年、倒産や消滅が発表されたショップやブランドは色々ありまして、今年終了が予告されているブランドも色々とあるわけです。

関連記事:TSI、ワールド、相次いでブランド廃止を決定

もっと目出度い話はないものかと我ながら思うのですが、年末年始にテレビを見ていて改めて思ったもので。

今回は、ブランドの終わりとも関係がある…「復刻」や「復活」について!
正月休み中、だらだらしながらお付き合い頂ければ。

lumine_ricori

「復活」「復刻」「再結成」…うっ!!!

過去の栄光って、眩しいですよね(遠い目

眩しいがゆえに、良い意味でも悪い意味でも、人々の印象に強く残ってしまう。
ファッションブランド(特にシーズン毎にテーマを設けて洋服を作るようなブランド)でも、それは同じではないでしょうか。

ヒット商品が出て人気を集めるも、時が流れて、人気が衰えてきたり売上げが落ちてくると…
過去の成功を引っ張り出してきて、もう一山当てようと考える人(又は会社)は非常に多い。

それは、あらゆるものにいえることです。

ファッションブランドもそう!困ったときの復刻!
ゲームだってそうだ!困ったときのリメイク!
音楽の世界でもそうだぜ!困ったときの限定再結成・ベスト盤・カバー!

過去の名作をリバイバル!と言われると、ファンは最初は嬉しい。

ファンじゃなくとも「おおっ!」と思うこともあるし、話題性もある。
人気なものほど「あの名作が復活だと?嬉しい、買うぜー!!!」と高まる人も多いはずで、実際に復活・復刻は大好評完売することも多い。

でも、これは珍しいから、レアだからこそです。
この「おおっ!」という感動も、欲しいとか見たいとかいう感情も、レアだからこそ。

いくら一発目の「復活」「復刻」で興奮しても、何度も復刻を連発されて発売されたら、どうでしょう。
…もうね、「お、集金か?」としか思わなくなります。

\なにが「限定」だよ!もうレギュラーじゃねーか!/

「復刻」の連発は、終わりの始まり?

好きだったブランドが、消滅なりしたこと、あります?
会社が倒産して消えたとか、名前だけ残して大リニューアルしちゃったとか。

…私は事実上消滅したブランドの客だったことも、店員だったこともあります(疫病神かな?
消えたブランドの終末期には、悲しいかな、共通した傾向がありました。
そのひとつが、「復刻」の連発です。

ブランドが消える理由って、大抵がシンプルに「売れなくなったから」です。
なんだかんだ言って、ほとんどの場合がそう。
バンドの解散が「音楽性の違い」って格好良く言いながら、実は単に人間関係の悪化だったりするのと同じ!

客としてお店に通っていても、色々とヤバい変化は感じたりすると思うのですが…その中の一つが「復刻」の連発。

復刻って、ぶっちゃけ「楽して儲ける」ことが可能。

ファッションに関していえば、すでにデザインはあるわけなので、生産自体は超手軽。

時間をかけて新作を作るより、過去の成功作品をひっぱるほうが、どれだけ楽なことか!

時間をかけて作った新作はウケるとも限らない。
でも人気作の復刻なら、ある程度は需要が見込める。そのうえ楽。
さらに、離れた昔のファンも、戻ってくれるかも…という期待も、あったり。

そりゃあ、手、出しちゃうよね!
今が上手くいっていなかったり、余裕がないと…(菩薩の笑み

理由なき「復刻」にご用心

「×周年記念」だったり、関連コラボなど、なにかしら納得のいく限定企画であれば、わかります。
特別な企画なんだな、とも思えます。

でも、特にこれという理由もなく、突然…
「過去、大好評完売した、あのデニムを特別限定復刻!」的なことをバンバンやりだすと…(震え
現状のものが売れていないのか、とにかく売上げが欲しいのかなどと、勘ぐってしまいます…(震え泣き

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「特別限定復刻」したものが、再完売すれば、良い。問題ない。
プレミアが付けば、さらにブランドの箔もつくってもんだ!

…これが完売もせず、さらにセールにも出すようになると、そのブランドは色々ヤバイと思っちゃう。

限定だの煽りながら、セールにかけてでも売って現金化したい辺り、台所事情も多分ヤバイ。
当然、その流れを見ている顧客からのイメージダウンも、避けられないよね!ただでさえ少なくなっているファン・顧客からのイメージを落とすって、相当やばいぜ!

ブランディングの基本 [ 安原智樹 ]

復刻したら、せめてセール対象外にしろと思うよ。流石にそこは。
勝手に価値を下げんなよ!という想い。
最初に手に入れた人は、さすがにガックリだよ。泣くよ。

「復刻」ってのは、劇薬とか麻薬の類。
使うことが一時的な救いになるかもしれないけれど、依存しちゃうと、もう大変。
うまく使わないと、ブランドイメージも下げ、現役で頑張っている現場の士気すら下がる、危険なカードだと思う。

http://zozo.jp/shop/tsumorichisato/goods/8521737/

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定番ラインを作っておくのは、上手い

定番ラインみたいなものを設けて、ヒット作なりをそのラインに加えていく手法を取るブランドは、商売が上手いと思います。セール対象外にするなら尚更です。
「復刻だーーーッ!」とは騒げないけど、長く稼いでいける。

ヒットしたということは商品自体に魅力はあるんだし、もしシーズンのコレクションが趣味じゃないという客にも薦められ、顧客を繋げられるという強さもあるよね!

「定番ラインに加わる=殿堂入り」みたいに思わせられれば、定番ラインに加えて量産化し、定価を少し落としたとしても、初代を買った人もそう悪い気はしないと思うの。

\これ、伝説の初代だぜ?タグを見てくれ、コレクションラインだろ?/

AKB48のエース復活に思う

2015年末の紅白歌合戦で、AKB48がメドレーを歌った際に、卒業したエース2人が「特別」に「限定復活」しました。
事前に歌唱曲を見て、(何故今年もミリオン売ってるのに、過去の曲ばかりをメドレーで?)と思ったものですが、なるほど納得です。
前田敦子さんと大島優子さんを効果的に登場させるためも、あったのね、と。

AKB48は10周年、総監督・高橋みなみさんの卒業(ラスト紅白)という、卒業メンバーが特別参加する理由もあります。紅白歌合戦への特別参加自体は、ヲタ向けじゃなく一般視聴者向けだから、お茶の間の皆さんが驚いて楽しければ、それでいいとも思います。

しかし、皆さんご存知でしょうか…。
最近のAKB48は10周年を理由に、卒業メンバーを狩りだしまくりなのですよ…。
なんと次のシングルでは、前田敦子、大島優子、篠田麻里子、板野友美(敬称略)の4名が選抜メンバーとして発表されています(なんだよそれ…

だから、紅白のAKB48を見て。
紅白にまで呼ぶか!もう過去の栄光で勝負するターンに入ったのか?!と、より寂しくなったのです。

AKB48が、倒産間際のブランドみたいになってるぞ…大丈夫か…と思い、今回の記事になりました。

以上になります。

ちなみに、私自身はAKB48が大好きですので、本気で心配しています!!!!

関連記事:篠田麻里子氏のブランド「ricori」突然終了

「復刻」「復活」にも、良いものと悪いものがあって。
悪いものの場合、顧客(ファン)とスタッフ、両方の士気が下がるぜ!という話。

皆さんの好きなブランドが、「復刻」連発し始めたら、それ危険信号かもしれないよ!

長々と、お付き合いありがとうございました。
参考になれば、幸いです!

3 Comments

  1. WD

    明けましておめでとうございます。今年も楽しみにしています。

    「復刻」「復活」「再結成」…音楽や映画について、特に強く思います。「もうネタが無いのかな」とか。
    歌番組等では、新曲よりも王道のヒット曲をやってもらう方が、視聴する側も安心出来る…というのも確かにあります(自分がそれだけ年をとったせいもあって?)。でも最近はその傾向が強過ぎる気がします。
    紅白は観ていないのですが、AKBの件は心配になりました。卒業メンバーを懐かしむには早過ぎると思うし、卒業の重みが無くなるような気も。あれだけ売れてしまうと、攻め続けろと望むのは酷かもしれませんが…

    洋服の復刻は、嬉しい場合もあるのですが、自分が期待するモデルがなかなか復刻されないと悲しいです。

    お店で買いそびれたニットを、ネットのセールで見ているのですが、20%オフの時に申し込むと数日後に「お取り寄せ出来ませんでした」と通知が返ってきました。今年に入って、その商品が40%オフになってまた出ていて、また申し込みました。割引率の変化に伴って商品を出したり引っ込めたりで、一時的に欠品になったのか?または別のどこかから補充したのか? よく分からないです。40%オフの方が嬉しいけれど、それよりも確実に入手出来るのかどうかが心配です。

    • あけましておめでとうございます!今年も宜しくお願いします!

      最近は特に歌番組で、なつかし系が目立ちますね。
      AKBに関しては、卒業生の召還連発は、グループと卒業生の双方が依存しあっているように見えてしまい、どちらにも得が無いように思いますが…。
      前田大島両名のオーラが未だに圧倒的なことも恐ろしいですし、私は両名好きなので、また見られて嬉しい気持ちはもちろんあります。
      でも、現役でこれから頑張ろうとしているメンバーがちょっと可哀想で…。

      お店の在庫に関しては、お店の仕組みによりけりなので難しいですが…。
      店頭や他ネット店舗と在庫を共有していたりすると、そういうタイムラグも起こりますね。
      無事に購入できるといいですね、40%OFFなら結果オーライということで。。

  2. グレートコート

    あけあけましておめでとうございます。

    グレートコートです。

    今年も健筆を期待しております。

    AKBも一大ムーブメントのように見えて
    案外マスが取れてないですよね
    優秀な卒業生が社会に出て厳しさを知り
    同窓会で気分良く愚痴っている様に見えました。

    文化の衰退というと大袈裟かもしれませんが
    様々なジャンルでネタ切れが
    深刻になってきているような気がするのは確かですね。

    ファッションはヘビロテ
    音楽は懐メロ
    映画はシリーズ化
    デザインはコピペ
    が主流ですからね。

    これも常套句で芸がありませんけど
    インターネットによって情報の処理と伝播がとにかく速い。
    去年iPadを手にしてようやく気付いたんですが
    端末もポンポン動く家電になってたんですね。

    面白しそうなネタでも直ぐに飽きられて劣化する。

    桶屋話ですが
    テレビ、ビデオ、ステレオ、ウォークマン、カメラ、ゲーム機などのハードと
    CD、DVD、本、雑誌などのソフトが
    スマホやタブレットに全て集約されて
    当然モノが売れなくなり景気も良くならないですよね。
    儲からない分野に優秀な人材は集まりませんからもう悪循環です。

    ファッションもアウトソーシングで
    「誰でもデザイナー」は言い過ぎかも知れませんが
    昔と比べれば立ち上げは楽だと聞きます。
    ユーチューバー的なゲリラ活動が増えてくるのでしょうか。

    漫画や文学のように初期投資がほぼ0でコケても路頭に迷う人が少なく
    個人の想像力がモノを言う世界ではまだ未踏の領域があるかも知れません。

    以前、坂本龍一さんが言ってたんですが
    「作曲における私のオリジナルティは数%くらい
    あとは多くの音楽家が築いてきた歴史の中にある」
    クリエイターにはめずらしく
    著作権の保護期間の延長に懐疑的なとてもカッコいい言葉でした。

    人間はパクれるから人間なんですよね。
    進歩の源であることは間違いありません。

    久しぶりの投稿でご迷惑をおかけしました。
    正月からごめんなさい。

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